ギアス

□一万年と二千年のうらみごと
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俺をくわえたアーサーはすぐさま入ってきたドアから外へとでた。
後ろからC.C.の、食い殺されそうになっても私を恨むなよ、という声が聞こえた。


一億と二千年たっても恨んでやる!!



03:一万年と二千年のうらみごと






アーサーの歯は俺の体にはささらなく、それはすこし安心した。
だけどものすごい速さで走るため、ぐらぐらと揺れて気持ちが悪い。
それに唾液で体がべちょべちょになっているのにも気になる。
そして!


こんな姿になっているのを他の誰かに見つかったりしたら!!
実験材料として捕まえられて、一生モルモットとして生きるか。
それとも縮んだ人間としてワイドショーに引きずり出されるか、
冗談じゃないそんな事したら俺が生きているってことがばれるだろう!
何よりいやなのは生徒会メンバーにみつかることだ。
会長なんかは絶対俺をからかって遊びまくるだろうし、
リヴァルは役にたたなそうだ。
シャーリーは俺に気をつかいそうだし、カレンは俺を事故をよそおってつぶしそうだ。
ニーナに関してはよくわからないが、研究者志望なのでもしかしたら一番やばい感じがする。
それにナナリーに縮んだ俺のことを話したら…っ!
やさしいあのこの事だ、俺の惨めな姿に涙を流すだろう。
その涙であったら俺は溺れてもいい!
だけど俺は幼いころのナナリーが幼いユフィと一緒にあのアリエスの庭で、
お人形の着せ替えごっことかに夢中になっていたのを思い出した。
……妹に裸をみせるなど…っ!




そう考えているうちにアーサーとくわえられた俺は裏庭へと来ていた。
大きな木下までくると、そこに俺をはなした。
いきなりはなされた俺は、また情けない声をあげて地面へとおちた。
草木の背が異様に高く感じられて、今までにない不安にかられた。


唾液で濡れた俺をアーサーはふんふんと匂いをかぎながら、俺が一体なんなのかを調べているようだった。
これはすこし話してみるとわかるかもしれない。
ユフィは猫と話ができると言っていたじゃないか!
そんな非科学的な事を今まで信じたことはなかったが、今の俺こそそれ以上に非科学的なのだ。
よし、とさっそく試みようとした瞬間。



べろん。



「やっ!」



アーサーは俺をなめ始めた。
ざらざらとした舌の感触が気持ち悪い。
ハンカチでとりあえず胸までかくしているというのに、その上からもなめてくる。
それから逃げようとすると足をはらわれて地面へと倒れた。
その衝撃で、体を隠していたハンカチがほどける。



「やめ…っ!」



俺の制止の声を聞き遂げるはずもなく、アーサーは俺の体をなめた。
これは決して獣姦ではない!!
俺は決して望んでいないのだから!!!!



「んふぅ…あっ、」


びくびくとはねる自分の体が恨めしい。
何もかもC.C.のせいだと、あの魔女を全力で呪おうと決めた時。



「アーサー何してるの?」




俺にとっての救世主があらわれた。




To be Continued.


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