ギアス

□マイリトルリトルラバー
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04:マイリトルリトルラバー

軍での仕事がはやめに終わったので、午後には学校に来ることができた。
久しぶりの学校に内心うきうきとする。
教室に行くとリヴァルやシャーリーが迎えてくれて僕は嬉しくなった。
だけど本当に会いたい人の姿はそこになくて僕はきょろきょろと教室内を見回した。
そんな僕を見てリヴァルが、あー、相変わらず、とひやかすようにわらった。


「ルルーシュだったら今日は来てないぜ」
「えっ、」


言い当てられて思わず赤面する。
そんなにわかりやすかっただろうか。


「どうせまたサボりだって。最近付き合いわるくてさー、アイツ」
「また賭けチェス?ルルの頭をそんな事に使わないで!」
「あーでたでた。ルルちゃんは本当はいいこなのにー?」
「ちょっ、なんでそれ!」
「会長から聞きましたー!」



じゃれはじめた2人の後姿を眺めながら、僕はもうひとり会いたい人の事を思いだした。
いくら好きだといっても、振り向いてくれないひと。



「僕、アーサーの餌やってくるね」
「おー、ひっかかれんなよー!」
「ちょっとリヴァル!話をききなさいってばー!」




にぎやかな教室を後に、僕は今絶賛アプローチ中のひと…というか猫。
アーサーに会いに行くことに決めた。







*




「いないなあ…」



生徒会室にいなかったアーサーを探して、僕は裏庭まで来ていた。
もしかしたら遊びにいってしまったのかもしれない。
元気なことはいい事だけどそれはそれで悲しい。




裏庭には大きな木があってそこでよくアーサーも昼寝をしていたな、と思い出した。
そして、ルルーシュも。
一番会いたかったひと。
だいすきでだいすきでおかしくなるくらい、いとしいひと。
再会して紆余曲折のすえ、恋人になった僕ら。
足りないのは二人でいる時間なのだと思う。
だからこそ、学校で会える時間を大切にしたかったのに…。




はあとため息をはくと、例の大きな木の下にアーサーがいるのがみえた。
こちらにしっぽをむけて、何かしている。
小鳥でも捕まえたのかな、と思いながら声をかける。


「アーサー何してるの?」



するとアーサーは邪魔するな!とでもいいたげに僕にむかって、シャーっと鳴いた。
本当に悲しくなった。
アーサーに嫌われるのはいやだけど、小鳥とかを食べてお腹を壊されたくないので
それをやめさせようとしてそばへと近づく。
僕が近づくのを感じるとアーサーはばっと逃げ出していった。
そのあまりの速さに感服しながら、叶わない恋心にため息をひとつ。

小鳥だったらかわいそうだから埋めてあげなきゃ、と思いながら草木の間をのぞきこむと。




僕は目を疑った。
あまりに恋焦がれすぎて幻でもみてるんじゃないか。
とにかく目の前のものが信じられなくて僕は自分の頬をつねってみた。
確かな痛みが僕をおそう。
夢でもなかった。
何度瞬きをくりかえしてもそれは消えることがなく。



「…ル、ルルーシュ…?」




草木の間に、ルルーシュが裸で倒れていた。
びくびくと痙攣した体はべとべとに濡れている。
肩で息をしながらなやましげな表情をうかべるルルーシュは壮絶な色気を醸し出していた。
思わずごくりと喉がなる。
だけどだけどだけど!!



「どうしてそんなにちっちゃいの!?」




え、何これやっぱり夢!?と僕はまた頬をつねった。


To be continued.




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