ギアス

□人形ワルツ
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06:人形ワルツ

僕はてのひらの暖かな液体をながめた。
これは…えっと…。
ルルーシュ(っぽいもの)はくったりとして動かなくなった。
だけど薄い胸が小さく鼓動しているのはみえた。
…鼓動?
それにこの表情は、いつも終わったあとにルルーシュがする…、



「○※$@!?」



僕は文字にならない叫びをあげた。
ほ、本物のルルーシュ!?





「…どうかしたの?」
「!?」


後ろをばっと振り返るとカレンさんがいた。
彼女はこちらを不審そうに眺めていた。
その視線がいたい。
あれだけ大声で叫べば人もくるだろう。
そこではっとして思わずてのひらのものを彼女にみえないように後ろに隠した。
そのあからさまな行動にカレンさんが眉を顰めた。



「何かくしてるの?」
「い、いや、べ、べつに!!」
「……」


本当に疑わしいという顔をしているカレンさんに引きつった笑みを浮かべた。
そして思わずそこから走り去った。
ごめんカレンさん、今度ちゃんと謝るから!






*



とりあえずやってきたのは生徒会室。
鍵をかけると思わずドアに背を預けて、ずるずると座り込んだ。
そういえばルルーシュをポケットにいれたまんまだったと思い出し、慌てて彼をだした。



「うわ…ルルーシュだ」



どうしてちっちゃくなったのかはわからない。
だけどてのひらにのるほどに縮んだ彼は、それでも僕のあいしたルルーシュで。
白い肌にどきりとする。
だけれどまるで悪いことをしている気分になって、僕は罪悪感に襲われた。
この歳で、人形で遊んでいるみたいな感じだ。
誰もいないのに、誰かにみられてるんじゃないかという想像をするとなんだかそわそわした。



「ん……」



そんな事をしているとルルーシュが覚醒した。
何度か瞬きをした後、その長い睫を持ち上げる。
そして、うつくしい葡萄酒色の眸があらわれた。



「ルルーシュ、だいじょうぶ?」
「……ああ、………っ!?」



段々と事態を思い出したらしいルルーシュが真っ赤になる。
ルルーシュが小さくなった事に気を取られて忘れていたが、
さっき彼はアーサーに…獣姦された、のかな?
そして最終的に僕にイかされた、と。
たぶんそれを思い出してぐるぐるしているルルーシュをみていると、
僕まで気恥ずかしくなってきた。



「えっと、その…」
「ちがうんだ!」
「へ?」
「いや、俺にはそんな趣味はなく!だけどアーサーが俺をな、なめ、なめ…」
「舐めまわして?」
「みなまで言うな!」



小さいルルーシュは僕のてのひらの上で真っ赤になりながらも、いつものように抗議する。
だけどそこには威圧感とか全然なくて、僕はほほえましくなった。
思わず指先でルルーシュの頬をなでると、ルルーシュは驚いたように声をあげた。



「や、やめろ!」
「というか、本物のルルーシュ?」
「じゃなかったらなんだと言うのだ!」
「いや、よく似た人形かと…」
「お前…、人形相手にあんなことしたのか…?」
「え、いや、ちが…っ!」



ルルーシュが一瞬軽蔑するような顔をしたので僕は慌てた。
そんな趣味は一切ないと、釈明したい!



「と、というかどうしてこんな事になっちゃったの!」
「………魔女ののろいだ」
「え?」
「どういう原理でこうなったのかはわからない。
だけど直る見込みならある、俺の部屋まで俺を連れて行ってくれ」



仁王立ちしながらルルーシュは腰に手をあててそう言った。
大変きまっている。
だけど、


「ルルーシュ、裸だよ」



ほうわぁぁ!という可愛い声が生徒会室に響いた。


To be continued.




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