ギアス

□ドリーム・メカニック
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*


『ちがいます、願望です』


『スザク様の一部になりたい……っ!』


ブラウン管の向こうで、ひとりの少年が悲痛なこえでさけぶ。
それを研究員と思われる白衣をきた二人が見つめていた。
男も女もまだ若い。眼鏡をかけた男は新しいおもちゃでもみつけたかのように、
本当に楽しそうな笑顔をうかべた。
その様子に、藍色の髪がうつくしい女は不謹慎ですよ、と男をとがめた。


「なんでー?おもしろいじゃない」
「おもしろいって、ロイドさん、まじめに考えてください」
「でもねー、こんなの初めてだしさー」
「ええ、いくら2期生のコンセプトが強い縛りを与えないことだとしても、
まさか…、義体が『願望』をいだくなんて…」
「ありえないよね〜、叶うわけないのにさぁ」
「叶うわけないって…、そんな…」
「叶わないでしょー、義体の願いなんて本当はこれっぽっちも叶っちゃいないんだ。
ぼく達は義体の望むことをしてあげることで自分に言い聞かせてるのさ。
『ぼくは、わたしは、ここまでこの子にしてあげた!だから自分は悪くない!
この子がいつか死んでも、苦しんでも、自分を恨むはずがない』って、ね」
「ロイドさん!!」
「特に枢木スザクはその筆頭だね」
「そんな…かれはあんなに義体を大事にして…、いいえ、ルル君を大事にしてるのに…っ」
「セシル君さぁ〜、義体と枢木スザクの間に何があったなんかしらないはずないだろう?」
「……っ、」
「かれはさ、あの義体を大事にすることで自分も救われようとしてるんだよ、まぁ『仮説』だけどねぇ」
「………報われません」
「ん〜、どっちが?」
「……両方です。ロイドさんの『仮説』ではふたりとも本当に報われません」
「いーんじゃない?ハッピーエンドの物語なんてさ、本当はないんだしぃ?」
「……このこと、スザク君に話すんですか?」
「うーん、どうかなー。まぁ一応上には報告するし、まぁそこらへんも上が判断してくれるでしょ」
「……これ以上出来ることはないってことですか」
「私情を挟んだら実験はできないよー?もっと冷酷にならなきゃ、義体は義体。どーせこの組織のパーツなんだから」
「それでも、生きているんです」
「……生きてる?機械の躰にされて、薬で洗脳されて?そんでもって人殺しの道具にされてて、ぼくみたいな研究者の実験体みたいにされてるのが
生きてるってこと?それはね、」



ドリーム・メンテナンス


「しんでいるって、ことだよ」



(あなただれ、あなただれ、あなただれ、)


>>to be continued.

***
原作にあったペトラの検査の話を使いました。
あの話すきなので、それを理想としてやりましたが、うまく表現できなかった…。うう、文才がほしいです。ロイドさんは義体義士ってところです。セシルさんはその助手。途中で出てくる『×××』はわざとです。きのに感化されてやってみました!これ便利!



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