drr小説

□携帯、語る
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某携帯会社CMパロ 臨也&門田ver




俺は門田京平…ではなくここでは折原臨也の携帯っつーことなんで。
まあ、なんでとか言わないでくれると助かる。そういう設定なんだ。



このご時勢携帯っていうものは持ち主といつだって一緒だ。
俺の持ち主の折原臨也は「情報屋」という立場上、常に携帯を持ち歩いてる。
しかもこいつは数台も持ち歩いてる。
それのほとんどが仕事用なんだが…、俺は違う。
そう、プライベート用。



朝起きて、まず俺をみる。
寝癖がついた頭をかきながらメールを確認して、むっとした顔をする。



「シスちゃんのばか」



唇を尖らせた寂しそうな顔は俺だけが知っている。
ぽいっとベッドへと投げられる。
これが案外痛いんだ。




主に室内にいることが多い折原臨也だけど、午後になる池袋に向かう。
今日何度も何度も俺を確認したけど、今日はまだ一回もメールも電話もきていない。
うろうろと、『平和島静雄』と登録された画面で臨也の指が決定ボタンの上をさまよう。
結局それを押すことはないんだが。



でも池袋に行くと俺はいつも落とされそうになるからひやひやする。
自動販売機とかポストとか、この街はそういったものがとんでくるのだ。
でもたぶん、ほかの携帯たちがびっくりしているから俺の周りだけなんだろうな。



少し暗い路地で肩で息をする臨也の背中をさすっていると体が震えた。
別に寒いとかそういうわけじゃなくてバイブレーションってやつだ。
おい臨也、静雄からメールだ。



メールの画面を開いた臨也は驚いたように目を真ん丸くした。
そして白い肌を真っ赤にそめて走り出した。
ああ、たまにはやればできるじゃないか、静雄のやつ。




「シズちゃん!」
「…ノミ蟲、……っ!?」




標識を手にしたままの静雄に臨也は飛びついた。
首に手を回し、きゅっと抱きつく。
いつもとは違う行動に、静雄の手から標識がけたましい音をたてて落ちた。




「俺もあいたかった」
「……!?」




静雄があわてて携帯を開くと『送信しました』の文字。
送信したメールをみた瞬間、顔を真っ赤にして固まった。



あ、静雄の携帯と目があった。
静かな目の奥で、やってやったと書いてあった気がする。
まあ、お互い大変だな。



俺は受信したメールをみた。



『あいたい』




俺は臨也のうれしそうな顔をみるのがすきだ。
いつも携帯をみながら寂しそうな顔ばっかするから、
じれったくて堪らない。


毎日一緒だから、風呂でも、寝てるときでも、着替えのときでも、
静雄と臨也の………なときも………これはまた今度で。




俺はよーく知ってるんだ。
あいたい、の一言がいえない素直じゃない恋人たちのことをさ。



携帯、語る
(まあ、おしあわせにな)

>>end.


あのCMかわいすぎるぜー!!
あとドタチン口調わからない…っ!



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