幻想小説 U

□40。
4ページ/4ページ

そう零して笑った俺に、カゥゼは笑みを返しただけだった。


「…本当に、ラジアはいい拾いものしたわね。」


そうだろうか。

そうだったらいい。

ラジアちゃんも、そう思ってくれてたらいいと思う。

そして、いつか。


「…いつか、ラジアちゃんから聞きたいな。」


過去のことも、
今の気持ちも、
これからのことも。

ラジアちゃんから聞きたい。

それまでは、我慢するから。
だから。
いつか、聞かせてね。


「絶対。」


諦めないから。

金を数えるラジアちゃんさえ、がめついラジアちゃんさえ、俺は大好き過ぎて、どうしようもないんだから。
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ