幻想小説 U
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相変わらず辺りは騒然としている。
何人なだれ込んで来たんだかと、呆れる程の人数だ。
まあ、リザがいるお陰で、あたしは楽をしているけれど。
どっちにしろ、この面子で負ける筈などない。
第一陣、第二陣と追っ手がここへと入って来たが、全員を中へと入れた時点で、スピカ辺りが扉に細工でもしていることだろう。
「リザ、外に追っ手は?」
「もう気配はないみたい。これで全員だと思うよ。」
リザが言うなら、間違いはない。
案の定扉は開かないらしく、四苦八苦している奴らをカゥゼが殴り飛ばしているのが、ちらりと視界を掠めた。