幻想小説 U

□55。
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『君は大きくなったら、その剣で何をしたいの?』

『俺、あの人を守りたい。』

『どうして?』


どうして?

そんなのは決まってるんだ。

あの人は世界で只一人。
あの人は世界の只一人。
あの人が世界の全て。


『…だいすきだから。』


彼女は笑った気がした。


『…じゃあそれ、あげるよ。』

『…いいの?』

『いいよ。大事にしなよね。』

『うん!ありがとう。』


彼女は別れ際、こう言った。


『…選ぶのは、君だよ。』


選ぶのは、俺。
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