幻想小説 U
□58。
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俺だってたまには素直に行動したりもする。
たまには、本気で追い掛けてみようと思ったりもする。
が。
俺はつくづく、ついてないのかもしれない。
「…で?」
いざ本気を出そうと追い付いてみれば。
ラジアは倒れたらしく。
リザは記憶喪失。
普段はあっけらかんとしている武器商人はへこみ気味で。
腹黒魔術師は相変わらず。
イメルダは喚き散らし。
カゥゼは泣いていた。
面倒くさい。
そう思わずにいられない場面にうっかり到着した自分に、げんなりするしかなかった。
俺、とことんついてないかも。