幻想小説 U
□38。
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ラジアちゃんに抱き付いたまま、もうもうとする煙を眺めていた。
イメルダには、興味がない。
けれど、聞きたいことはあった。
生きてるかな?
多分、大丈夫だと思うけれど。
ラジアちゃんは、容赦がない。
只、それは、本気でラジアちゃんの命を狙う者にだけであって、それ以外には、驚く程 慈悲深いのも知っている。
だから、好き。
だから、知りたい。
知りたいことは、きっとラジアちゃんは、教えてはくれないから。
「勝負よ!ラジア!」
煤けたイメルダが煙から出て来る。
そう叫んで、最後の勝負が始ろうとしていた。