幻想小説 U
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俺は、ラジアちゃんのことが知りたい。
過去のことなんて、本当は関係ないんだ。
ラジアちゃんがいてくれたら、それだけでいいんだ。
だけど。
過去を知ったら。
知ることが出来たら。
ラジアちゃんの本当を知ることが出来たら。
何か出来るんじゃないか、なんて。
思い上がりもいいとこかもしれない。
そこから、俺は付け入りたいだけなのかもしれない。
俺の夢を、自分勝手に叶えたいだけなのかもしれない。
知りたいよ。
大好きだから。
愛しいから。
愛してるから。
だから。
…だけど。
「…んーやめとく。」
そう応えたら、カゥゼが目を見開いて驚いた顔をした。
小声で話しているから、ラジアちゃんには勿論聞こえてはいない。