幻想小説 U
□41。
1ページ/5ページ
清々しい朝。
何て清々しい。
飲んだくれて倒れている面々。
転がる無数の酒瓶。
無駄に豪華な部屋。
一面の銀世界。
全てが、今日でおさらばなのだ。
最っ高。
気分いい。
見渡せば、まだ誰も起きる気配はない。
それもそのはず。
かなりの早朝なのだから。
「風呂でも入ってくるかー。」
上機嫌で軽く鼻歌など歌いながら、着替え片手に、あたしはバスルームへと向かった。
くわえ煙草の煙が、糸を引く様になびいていく。
「…そういえば。」
昨夜、リザが何か聞きたがっていた様な。
立ち止まり、暫し頭を働かせてみた。
「…ま、いっか。」
鼻歌を再開させ、またバスルームへと足を運んだ。