幻想小説 U

□42。
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バスタブから時々溢れる白い泡。
鼻を掠める甘い匂い。
耳を掠める上機嫌な鼻歌。
朱と白のコントラストに、思わず目を細めた。


「シャンプー、どれがいい?」

「どれでも。洗えればいーのよ。」


あの後。
俺の究極のニ択に、ラジアちゃんは暫く考えてから、こう応えた。


『バスルームに入ることは許可する。』


つまりは、一緒には入らないってこと。
本当はやりたかったんだけどな。
けど、これでも俺はすごく嬉しかったりする。

目の前で泡だらけのバスタブに浸かるラジアちゃんに、俺が髪を洗ってあげる。

ラジアちゃんは外見に執着がない。
シャンプーとかは、いつも適当なやつを使ってたりする。
駄目だよ。
勿体ないと思う。

無駄に沢山陳列されたシャンプーに目をやって、一つを手に取った。
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