幻想小説 U

□46。
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その日の夜。
あたし達は各自部屋を割り当てられ、適当に時間を潰していた。
リザは大人しく自分の部屋にいるのだろう。
久々の一人を悠々自適に過ごしながら、くわえ煙草で、ベッドに並べた金を数える。


「…アレックスか、懐かしいな。」


言葉にして、ふと疑問が胸を掠めた。

旅の途中に、奥方の昔話をするためだけに、わざわざ呼びつけるだろうか。
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