幻想小説 U

□50。
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永きを生きることは、そんなに悪いものじゃない。
巡り巡るその長さに、ふと忘れてしまいそうになるけれど。

あたし達は皆、無意味に存在している訳じゃない。
意味があって存在している訳じゃないけれど、意味を為そうと、足掻いて、抗って、在ることに意味を為そうと生きている。

只、そう在りたいと思う者と
そう在りたいと思うことを放棄した者と
二者に別れるだけなのだ。

永きを生きることは、そんなに悪いものじゃない。
悪いものじゃないんだよ、ラジア。
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