幻想小説 U

□51。
1ページ/10ページ



「…ぼんやりしないでよね。」


そう言って笑った彼女の朱が、一面に舞い散った。













「…で?」


ラジアちゃんはレックスに問い掛ける。


「で?って?」


レックスは先程露見した過去の過ちからか、軽く目を逸らして応えた。


「血界石よ。あんたしか気配解んないでしょ。」


今度はカゥゼが、呆れ気味に続ける。

この国を絶対防壁で守る血界石とやらは、レックスしか気配を掴めない代物らしい。

ラジアちゃんもカゥゼも、スピカだって、相当な魔力を持つのに。

俺はそこら辺の事情が掴めず、一人首を捻った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ