幻想小説 U
□59。60。
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【60。─ラジア視点─】
こんな日に快晴とはね。
ぼんやりと煙草をふかしながら、てくてくと歩を進める。
さんさんと照らしつける太陽は、これでもかと言わんばかりに、じりじりと体を焼いた。
「…これで。」
これで、よかった。
報酬はきっと、お人好しのマリーが全額リザに支払うだろう。
あたしはあたしで、また賭けでもして荒稼ぎすればいい。
しあわせに
しあわせになって、リザ。
あたしは夢を叶えない。
貴方が
それを望んでも。
だって
「…愛してるから。」
小さく小さく、もう届かない愛を呟いて。
あたしは生きる。
永き時を果てるまで。
h.o's.O.way end。