幻想小説 U

□59。60。
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【59。─リザ視点─




世界の軸が
誰かだった

世界の中心が
誰かだった

世界の全てが
誰かだった

その誰かが思い出せなくて
その誰かを思い出したくて

ぷつりと切れた記憶の糸は
手繰り寄せることさえ出来なくて

考えてしまうんだ

失すくらいなら
忘れるくらいなら


どうして俺達は
出会ったのだろう


誰かが
貴女だったらいいと
俺はそう思う

途切れた記憶は戻らなくとも
きっと
きっと
探し出してみせるから
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