幻想小説 U

□31。
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「それでも、クラチカのことは言い過ぎ。」


カゥゼはあたしの視線を受け止めてから、はっきりと呟いた。

どうして。

何でよ。
だって。


「…殺ったのは、ラジアじゃない。」


言葉にしたのは自分なのに、言葉に詰まった。

彼を殺したのはラジア。

忘れもしない。
三百二十四年前のあの日。
朱い月のあの日。

ラジアの剣は、クラチカの胸を貫いていた。
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