幻想小説 U

□32。
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所変わって、ここは宿屋一階の食堂。


「おっちゃん、酒!」


食堂と言うより、夜のこの時間は酒場になりつつあるこの場所は、無駄に豪華なだけあって、どちらかと言うとバーに近い。


「あたしは払わないわよ。」


転がる無数の酒瓶に一瞥くれてから、あたしはカゥゼに言った。


「あんたが悪いんだから、あんたが払うのよ!」

「…だから。」


何で。

あからさまに溜め息をつけば、カゥゼはまたもやあたしを睨んだ。
何なんだ。
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