幻想小説 U

□32。
4ページ/6ページ



「イメルダのこと、悪かったね。」

「そう思うなら、素直になりなさいよ。」


グラスの氷をからからとやりながら、カゥゼが、あたしを見た。

素直に?
今更だな。

鼻で笑ってしまった。


「…リザは?」

「…さあ?」


本当に知らない。
あたしは軽く、首を捻った。
ここ最近、リザはオフィリアからの呼び出しが多かった。
どこへ連れて行けだの、何がしたいだの、どうでもいいことで。
今夜もまだ、帰って来ていない。

あたしは、それでよかった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ