幻想小説 U

□33。
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「…ねえ、ラジアちゃん。」


その朱に顔を埋めて、その名を呼ぶ。
近くにいるのに遠い、その名を。
ラジアちゃんは応えなかったけれど、俺の頭を優しく撫でてくれた。

切なくて。
欲情する。


「ねえ、リザ。」


諭す様に、ラジアちゃんが口を開いた。

大体、こういう時は。


「オフィリアをどう思う?」


…ろくな話じゃ、ない。

俺は今、明らかにうんざりした顔をしていると思う。
どうして今、そんなこと。
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