幻想小説 U

□35。
3ページ/7ページ



「ちょっとラジア!それ、あたしの分でしょ!」

「いーじゃん。また頼めば。細かいなー。」


一階食堂へ向かう階段を降りていると、カゥゼとラジアちゃんの言い争う声が聞こえた。
ちらとそちらに視線を投げれば、刺身一切れを巡って、二人は攻防を繰り広げていた。

お昼から刺身なんだ。

思わず笑った。
何て言うか、凄く微笑ましい気がした。

暫く、高みの見物をすることにする。


「おっちゃーん!刺身盛り合わせと、葛切り、唐揚げ、後 アップルパイねー!」


ラジアちゃんは片手を上げて、何だか色々と頬張りながら言った。


「節操の無い注文ねー。」


向かいでカゥゼが、呆れているのが見えた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ