幻想小説 U
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「ちょっとラジア!それ、あたしの分でしょ!」
「いーじゃん。また頼めば。細かいなー。」
一階食堂へ向かう階段を降りていると、カゥゼとラジアちゃんの言い争う声が聞こえた。
ちらとそちらに視線を投げれば、刺身一切れを巡って、二人は攻防を繰り広げていた。
お昼から刺身なんだ。
思わず笑った。
何て言うか、凄く微笑ましい気がした。
暫く、高みの見物をすることにする。
「おっちゃーん!刺身盛り合わせと、葛切り、唐揚げ、後 アップルパイねー!」
ラジアちゃんは片手を上げて、何だか色々と頬張りながら言った。
「節操の無い注文ねー。」
向かいでカゥゼが、呆れているのが見えた。