幻想小説 U
□39。
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一時間経過。
残り僅かな床上のカード。
散らばる大量の酒瓶。
そして。
「…やるわねー。」
予想外なこの状況。
煙草をふかしながら、思わずそんな言葉が零れ落ちた。
「負けらんないもん。」
にっこりと極上の笑顔を浮かべるリザ。
その手元のカードを見やって、あたしは取り敢えず感心した。
強いのだ。
凄過ぎるのだ。
「ちょっとカゥゼ!邪魔しないでよ!」
「うるさいわよ、イメルダ。早くカード引きなさいよ。」
「何ですってー?!」
余裕なラジアとは反対に、苛々と喚き立てるイメルダ。
勝負あったわね。
横目で二人を見て、軽く溜め息をついた。