幻想小説 U

□40。
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「…いいの?ラジアはきっと、話さないわよ?」


その通りだと思った。

ラジアちゃんはきっと、教えてくれない。
俺は本当は、ラジアちゃんのことなんて、何にも知らないんだ。

それでも。


「…いいんだ。」


いいんだ。

傍にいられるだけで。
傍に置いてくれるだけで。

共に、今を生きて行けるだけで。

上手く笑えてたかな。
解らないけれど。


「…そう。」


何故かカゥゼは、満足げに俺を見て笑った。


「…リザでよかったわ。」

「どういうこと?」

「…そういうことよ。」


よく解らないまま首を捻る俺に、煙草をふかしながら、カゥゼはまた笑った。
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