幻想小説 U
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「…いいの?ラジアはきっと、話さないわよ?」
その通りだと思った。
ラジアちゃんはきっと、教えてくれない。
俺は本当は、ラジアちゃんのことなんて、何にも知らないんだ。
それでも。
「…いいんだ。」
いいんだ。
傍にいられるだけで。
傍に置いてくれるだけで。
共に、今を生きて行けるだけで。
上手く笑えてたかな。
解らないけれど。
「…そう。」
何故かカゥゼは、満足げに俺を見て笑った。
「…リザでよかったわ。」
「どういうこと?」
「…そういうことよ。」
よく解らないまま首を捻る俺に、煙草をふかしながら、カゥゼはまた笑った。