幻想小説 U

□40。
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「リザなら、きっと。そうね、きっと。」


呟いたカゥゼは、ラジアちゃんに視線を投げた。

俺もつられてそちらを見れば、せしめた金を数えながらイメルダをいじるラジアちゃんが目に映る。


「可愛いなあ。」

「…そう?」

「そうだよ。」

「まあ、確かに造形は悪くないけどねー。」


顔をしかめて、カゥゼは首を捻った。

カゥゼもかなり美人さんだけど。
それでも、俺にとって特別なのは、世界でラジアちゃんだけ。

見事な朱い髪も、
勝ち気な夜色の瞳も、
白く滑らかな肌も、
華奢な体も、
無茶苦茶なところも、
我が儘なところも、
実は優しいところも、
全部、
全部、特別なんだ。


「大好きだから。」
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