幻想小説 U
□49。
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朱い隻眼は弧を描いたままに、アレックスが説明を始める。
「マリーの国はね、今、隣国からの侵略の危機に晒されてる訳よ。」
「…関係ない。」
「そう、関係ないんだけどね。」
あたしの不機嫌な応えにも動じずに、尚もアレックスは話し続ける。
「依頼金、貰っちゃったからさ。」
肩をすくめて、さして悪びれもせずに、そう言い切った。
依頼金か。
どうせそこには、あたしを説得する為の上乗せもされているのだろう。
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