君の声が聴きたくて
□*標的4*
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まさかあの人にこんな所を見られるなんて…
誰か……
この気まずい状況をどうにかしてください…
君の声が聴きたくて 標的4
今日は楽しみにしてたおにぎり実習
「あれ?彩音ちゃんおにぎりは?」
教室に向かう途中で京子ちゃんに尋ねられた
『あ、あとであげようと思ってまだ持ってきてないの』
彩音は少し慌てたように答えた
「ふーん…彩音好きな人できた?私達に内緒でその人にあげるんじゃない?」
花ちゃんはニヤリと笑い鋭い質問を彩音にした
『えっ!?そ、そうじゃないけど…』
ツナがおにぎり全部食べちゃうから騒ぎのあとで渡すなんて言えないし…
京子ちゃん花ちゃんごめんね!!
どうしても山本と獄寺君とツナにおにぎり食べてほしいから……
「まぁ、別にいいよ。好きな人とか出来たら教えなさいよ?協力してあげるから」
「彩音ちゃん私も協力するよ!」
『うん!2人共ありがとう!!』
転入してきて初めての女の子の友達が出来て彩音は喜んでいた
「今日は家庭科実習でつくったおにぎりを男子にくれてやるーっ」
教室中に女子の声が響いた後、男子の喜びの声も響きわたった
「変な行事スね。」
「ツナ誰にもらうか決めたか?」
「え?///」
そりゃあ、京子ちゃんのおにぎりがほしいけど…
あれ?彩音だけ、おにぎり持ってない
どうしたんだろう…?
ツナがそんな事を考えていると、ビアンキが京子のおにぎりをすり替えた
「ちょっまてよっ!何してんだお前!?」
ツナは大声で叫びながら京子の傍にやってきた
「ツナ君食べる?」
それに気付いた京子はツナにおにぎりを差し出した
「積極的だなオイ!…あれ?水野はおにぎりねーの?」
山本はツナを小突きながらも彩音がおにぎりを持っていない事に気付いた
『私は後で渡そうかなぁって思ってて…』
「彩音は私達に内緒で好きな人に渡したいらしいよ?」
花は冗談っぽく彩音の言葉に付け足した
『花ちゃん!違うってば!!』
彩音は慌てて否定した