*Le soleil*

□結婚線
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「どうかしたんですか?」

「え、何が」

「左手、じっと見てるから」

「あー・・・ちょっと思い出して」

「何を?」

「銀座の母」

「・・・チカさん、ズバズバ言われてましたもんね」

「ファンの人から手紙が殺到したよ」

「どんな内容やったん?」

「恋愛結婚、諦めないで下さい!とか」

「あはは、何か可愛い〜」




某テレビ局の某番組に出演した時、
私達はロケで銀座の母に占ってもらった。
色々な方法で健康とか人生とか指摘され
面白かったのはいいんだけど
何よりみんなが気になっていた結婚の占いは・・・
ゆみこ以外は、それぞれが銀座の母に斬られ
その姿をバッチリと放送されたわけだ。




「ゆみこのは放送されてなかったけど」

「まぁ・・・だって、ねぇ」

「私のファンの人達も気になってたみたいだよ。
彩吹さんは、何を言われたんでしょうって」

「今度、お茶会でその話するつもりなんで、よかったら」

「行きたいけど、無理」

「チカさんが来ても仕方ないやん。
あの場に一緒におったんやから、知ってるでしょ。
チカさんのファンの方にオススメしてるんです〜」

「私のファンを誘惑しないで。
ゆみこに誘惑されるのは私だけでいいの」

「何言うてるんですか・・・」




自分のファンをゆみこのお茶会になんて行かせられない。
ファンの半分以上が堕ちて、帰ってこなくなりそうだから。
というか、これ以上ゆみこに関する敵を増やしたくないだけなんだけど。


「恋愛結婚か〜」

「・・・したい、ですか?」

「・・・誰と?」

「や、そういう相手でもおるんかなって」

「結婚できても、できなくても、
一緒にいたい相手ならいるけど」

「・・・・・」

「同じく、恋愛結婚は出来ないと言われた彩吹さんは?
恋愛結婚したい相手でもいるの?」

「・・・・・」



恋愛結婚したいか、したくないか、
なんて、そんなのどうでもいい。
ただ、ずっと一緒にゆみこと居たい。
それだけずっと変わらないでいてくれるのなら。




「私も、結婚できても、できんでも
どっちでもいいです。一緒におれるんなら」



少し頬を赤く染めながら、そう言う愛しい人。
あー、やっぱり私のファンは、ゆみこのお茶会行くの禁止。
こんな可愛い笑顔、どれだけ大勢の前で見せてるんだか。
私だけのお茶会、とかないかな。
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