*Le soleil*

□甘い罠
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「あー、今日も疲れた」

「ほんま・・・しごかれま、、たもんね」

「ちょっと激しい振付だったよね」

「うん、サンバ!って感じやった」




危ない、危ない。




「お芝居は、もうちょっと内容変わるかなー」

「うーん、どうやろー」

「でも、楽しいよね」

「楽しいー!悪役もよかったけど、笑顔でいられるって幸せ」

「こないだのは笑顔ってほとんどないんじゃない」

「睨んでばっかやったしね」

「今回もアドリブとか入れられたら楽しそう」

「コメディだから、きっとOKですよ〜」

「あ」

「あ、」

「はい、罰1〜」

「・・・しまった」




ニコニコ顔でチカさんが近づいてくる。
思わず後ずさりしてしまうのは、最近した約束のせいだ。




『私の誕生日まではタメ口でいいよって言ったでしょ』

『無理ですー・・・もう癖ですもん』

『あーあ、せっかくタメ口が3日間続いたら、いいこと教えてあげようと思ったのに』

『え、、いいことって?』

『何でもない。どうせ無理なんでしょ?』

『う・・・そんなん言われたら気になります』

『まぁ、タメ口が3日持たないと結局教えないけど』

『えー!・・・ずるい、そんなん言うたって』

『その調子で、チカって呼べばいいのに』

『・・・恥ずかしさが異常なほど襲ってくるから、やです』

『じゃあ、いい』



気になる。いいことって何?
でも、こんままじゃ教えてくれんやろし・・・



『ほ、ほんまにタメ口3日もったら、教えてくれる?』



そう言うと、きらっとした笑顔になって頷くから。
そんないいことなんかなって、ちょっとわくわくして。



『じゃ、じゃあ・・・頑張ろかな』

『そうこないと』



あ、その笑顔かわいいー。
なんて、のろけたことを思ったり。
でも、そんなにいいことなんやったら
今すぐ教えてくれたってええのに。
障害を乗り越えてこそ、喜びも二倍って感じなんかな?
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