*Le soleil*

□笑顔の法則
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なんで、いっつも笑顔なんだろう。

ニコニコニコニコ。

そんな音がどこからか聞こえてきそうで。



あ、今度はまた違う笑顔。

ニコニコから、にへらに変わった。

多分、おばバカな話だろう。

キムも似たような顔してるし。




「子どもって、なんでこんな可愛いんやろー」

「ねー。赤ちゃんもすっごい可愛い」

「また見てるの」

「だって可愛いんですもん」

「チカさんだって、仲間じゃないですかー。おばバカ」

「うちの姪っ子は特別かわいいの」

「うちの子やって可愛いですー!」

「うちだって!」



で、結局おばバカトーク。

つい白熱して、身内の子ども自慢大会となった。


あ、にへらじゃなくなってる。

どっちかっていうなら、今はデレデレって感じかな。

ゆみこ、子ども好きだもんね。


そんな笑顔みちゃうと、また頬が緩む。



「あー、チカさんがデレデレしてる。
 姪っ子ちゃんにメロメロですね♪」



キムがにやにやした笑顔で突っ込んでくるけど。

こんな緩んだ顔にさせたのは、姪っ子の力じゃなくて。

もう何年も見てる、見慣れたはずの恋人の笑顔。



・・・何年見ても、緩んじゃうのはなぜ?


・・・何回見ても、あんなに可愛いのはなぜ?



おばバカならぬ、ゆみこバカなんだろうか。(バカって響きはちょっとヤダけど)


まぁ、弱点ですからね。



「チカさん、これ見てー」



ゆみこの姪っ子ちゃん。

可愛い。

でも、ちょっとヤキモチ。

だって、私を見てこんな風にデレデレしてくれたことないもん。



「可愛いね」

「ね♪あー、早く会いたい」



こんなこと口にしてくれたこと、ほぼないし。


いいなぁ、いいなぁ。

私もデレデレしてほしい。
早く会いたいって、甘えてほしい。



「いいなぁ」

「え?」


あ、つい。



「なんでもない」

「え、何ですかー。気になる」



何、何?って楽しそうな笑顔で聞かれても。

さすがに恥ずかしいんだけど。

子どもにヤキモチって。



「なんでもなーい」

「えー、絶対なんか言ったもん」

「なんでもなーい」



はぐらかして、その場から離れても
ぴょこぴょこついてくるから、早足にすると。



「あ、どこ行くんですかー」



必死に追いかけてきて、気付いたら人気のない奥の廊下まで来ていた。



「もう、、逃げんといてくださいよー」

「追いかけてくるからでしょ」



お互い、いい年して。

あ、キムほったらかしてきちゃったし・・・。
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