*Le soleil*

□Rain rainbow
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雨はキライ。


ずーんと頭が重くなるから。

たぶん、前世はネコやったんやと思う。




「じゃ、私と付き合うの難しくない?」




雨と私は引き離せないみたいだから。

淡々とした顔で、わー、どしゃ降りって楽しんでるその人は

誰もが認める、れっきとした雨女で。(自分でも認めてるし)





「じゃあ、付き合うのやめますか?」





可愛くない言葉を口にする。





「ゆみこがそうしたいなら」





なのに、ピクリとも反応してくれなくて。

本気だなんて思ってないんだ。



・・・本気じゃないけど。





「チカさんがそうしたいなら、私はいいですよ」




可愛くない私がどんどん前に出てきて、何だか嫌な感じだけれど。

それでも動じない顔をして、窓の外を眺めているから。





「雨なんかキライ」





一緒に座ってたソファから離れて、一度も振り返らずにリビングを出た。

勢いよく寝室に飛び込んで、ベッドの上に倒れてみる。


いいんだもん。私のベッドやし。

ここ、私の家やし。

勝手に拗ねて、勝手にどこに行ったって迷惑にならんもん。

案の定、チカさんが追ってきてくれるわけもない。

いつまでたっても子どもみたいに拗ねるのは私だけ。

そんな私に慣れきっちゃってるチカさんに、何度だって腹が立つ。



私が素直じゃないのなんて、いつものことだって

あー、また始まった。なんて思ってるんだ、きっと。



どうせ、好きですよ。

どうせ、離れられない。



別にええもん、わかってるし。



・・・だけど、やっぱり寂しい。

少しくらい、焦ってくれたっていいのに。

いっつも私だけ。

どれだけ一緒にいたって、ちょっとしたことに揺れて

不安になって、もっと好きだって言ってほしくて

いっぱい色んなものをほしがってばっかりだ。

自己嫌悪になって、自分って面倒くさいって思っても

同じこと何度も繰り返してしまう。



私が好きなように、同じだけ愛してほしくて。


・・・重い、よね。



独占欲の塊だなって、自分を皮肉ってみても虚しいだけ。
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