*sketch*
□ウソツキ。
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「エイプリルフールってどういう意味があるんだろ」
「そんなの知ってどうするんですか」
「え、ほら何かの役に」
「立つわけないです」
「･･･づっくーん･･･テルがイジメるよー」
「まぁまぁ。それより、ひろみさんは嘘つきました？」
「ううん、まだ。というか、さっきまでコロっと忘れてた」
「そんなに印象にない日の意味を知っても、何の役にも立たないと思いますけど」
「もー、テルうるさい」
「ひろみさんて、騙されやすそう」
「そんなことないよーだ」
エイプリルフール。
毎年毎年、忘れてしまう日だった。
でも今日、下級生同士で嘘を仕掛けあってるのを見て思い出した。
もうだいぶ、この日に嘘をついてない。
別に嘘をついたからって、何か良いことがあるわけじゃないけど
一度でいいから皆を驚かすような嘘をついてみたい。
なんて、密かに思っていたんだけど、また忘れてしまってた。
「あ、ひろみさん」
「何」
「ラギさん、結婚されるんですよね。何かお祝い、みんなでしませんか」
「えっ」
「え、、、知らなかった･･･とか？」
「えーーーーーっ!!!??聞いてないよ!!」
「ちゃんと連絡きましたけど」
なんで、なんで、なんで!?
同期なのにーっ!!!
慌ててバッグから携帯を取り出し、すぐ電話をする。
「もしもし〜」
「ラギっっ!!?」
「どうしたの〜。何か、声が大き･･」
「何で言ってくれなかったのー!!!」
「ひ、ひろみ？どうしたの？」
「どうしたの？じゃないよ！結婚すること、何で言ってくれなかったの!?」
「え、何言ってるの？」
「結婚だよ、結婚!!ラギ、結婚するんでしょ!?」
「えーーーっ!!?ひろみ、何言って･･･
もしや、今日エイプリルフールだから引っ掛けようとしてる？」
「何言ってんの！ちゃんと聞いたんだからね！」
「やっぱり、ひろみさんは騙しやすいね」
「テル･･･すっごい楽しそうな笑顔だよ」
「ひろみさんが期待通りの反応をしてくれたから」
「そんな爽やかそうに言われてもね･･･」