*sketch*

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『あなたは、とても意地っ張りで頑固だと出ているわ』

「あ、はい・・・」

『好きな人の前じゃ素直になれないタイプ』

「ゆみこ、当たってるやん」

「・・・・・」

『はっきり言うと、今の人とはもうダメね。
 あなたが意中の人に無理をさせすぎるし、
 愛情表現もヘタだから愛想をつかされてしまうでしょう。
 そのうち、彼はあなたを捨てて新しい人を見つけるわ』




すごく当たると評判の占い師さんの所へ行かないかとキリちゃんに誘われて、
予約待ちしてまで行ったのは、単に面白そうだったから。
キリちゃんと久々に休みが合って、一緒に遊びに行ける楽しさもあって
占いした結果をからかい合いながら話すのもいいかなって。
元々、占いとかするの好きだったし。
お互いの想い人は仕事で忙しいから、たまには2人で。
キリちゃんと恋愛トークするのが楽しくて、ノリノリな気分で占いに行った。
実際に占いが始まったら、もうドキドキして。
占いをしたいと言い出したキリちゃんが占ってもらってるのを見て、
早く私も自分のこれからのこととか聞きたい。そう思ってた。




「あの〜・・・急ですみませんが、恋愛も見てもらえんかなぁと」

『分かりました。では、相手のお名前、年齢・・・』




キリちゃんの一言で、今回の目的が一気に変わった。
占いは今後の人生のことだけを聞く予定だったから。
でも、キリちゃんが恋愛を占いたいと言い出して
結果の内容を聞いていたら、私もチカさんとのことを知りたくなった。


それくらい、キリちゃんが良い内容だったからかも。
結果を聞いてる時のキリちゃんのニマニマ顔が頭から離れない。



「うわ〜、これはユウヒさんに教えたらなあかん」

「すごいラブラブな内容やったね」

「まぁ、誰にも負けんくらいラブラブやから」

「・・・うちも占ってもらおかな」

「せっかくやし、そうしたら?」

「・・・キリちゃんのその顔、ファンの人には見せられんよ」



キリちゃんとユウヒさんのラブラブ結果を聞いた後だったから、
自分とチカさんも良い結果を聞ける、なんて思い違いしたのがいかんかった。



『恋愛中のあなたは素直じゃないから、可愛げがない』

『嫌われて終わるのは、避けられない恋でしょう』



占いだから。ただの、占い。
キリちゃんの気ぃ遣った声が聞こえた。
そんなん知ってる。
知ってるけど・・・目の前が暗くなるような、不安がむくむくと出てきた。
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