*Le soleil*
□結婚線
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隙間なく、ぎゅっと抱きついた温もりが愛おしい。
そっと抱きしめ返すと、少し腕の力が緩んだ。
「結婚、なんてどうでもいいんです」
「え」
「子ども大好きやけど、それも構わない」
「ゆみこ？」
「何も･･･何もいらない。
チカさんと、ずっと一緒におれるんなら」
私も、って言いたいのに声にならなくて。
ゆみこも一緒に居ることを望んでくれている。
気持ちを通わせあえる幸せ。
これ以上、好きにさせないでほしいくらいだ。
ゆみこは、抱きしめていた腕を放し私の顔を見つめてくる。
「女性としての幸せは、人によって違います。
私の幸せは、私が決める。
･･･それは、チカさんと一緒にいることやって
ちゃんと分かってくれてます？」
いつもなら、そんなこと恥ずかしがって言おうとしないくせに。
なかなか言わない人が言ってくれる言葉って、
何でこんなに効果が絶大なんだろう。
「･･･知らなかった」
「･･･そういうことなので。
もう、さっきみたいなんは言わんで下さいね。」
「そんなに私のこと好きなんだ」
「なっ」
「一緒にいたいっていうのも嬉しいけど･･･
好きとか、そういうのも聞きたいなー」
「･･･もーっ！調子乗らんで下さい」
あ、また怒らせちゃった。
でも、いいや。嬉しいから。
これからも、ずっと一緒に。
そう想いをこめて、頬をふくらませてる愛しい人を抱き寄せた。
fin.→あとがき