BOOK2

□宵の明星
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賑やかな宴を尻目に、一人離れた縁側に座し夜風に当たる女の元へ、男が近付いて来た。

「参加されないのですか」

今宵は、世間では所謂祝言と呼ぶもの。

隣にはいられないのに、素直に祝うなど出来る訳がない。

「・・・意地悪ね」

雪女はほぅ、と小さく息を吐いた。

陶器のような肌はうっすらと朱を帯びて、瞳には艶。

その美貌に、一体何人の男が虜になり、文字通り骨抜きにされてきたのだろう。

「隣、宜しいですか?」

「・・・ご自由に」

牛鬼は静かに腰を下ろした。


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