BOOK1

□例え此の身が果てようとも
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愛しの貴方は娶った

私ではない女を


貴方の瞳に宿る優しい光


それが私に向けられることを

どんなに夢見たか


けれど

叶わなかった


夜ごと繰り返される甘い営みに

私が苦しみ悶えているのを

貴方は知らないのでしょう


例えば私が

捩眼山の霧となって消えたなら

貴方は探してくれますか?


下僕と主でもいい

追いかけてくれたら

一瞬でも貴方のお心を占めることが出来たら

私は満たされるから


身体が朽ちたら

心は何処?


どうか、現に留まらないで


貴方を困らせたくないから


私は貴方の下僕です

ずっと

ずっと・・・



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