BOOK(牛頭雪)

□ぬら組のお正月
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 年の始めの例とて
 終なき世のめでたさを
 松竹たてて門ごとに
 祝う今日こそ楽しけれ





人の暦で西暦2009年、新春。

その澄んだ空気に身をふるわせながら、朝日を浴びることのなんと気持ちのよいことか。

しかしながら、ここ妖怪の大本山・奴良組の屋敷の庭には、正月とは似つかわしからぬ緊張感が漂っていた。

大衆の視線の先では、二人の少年が何やら睨み合っている。

「いくぜ、馬頭丸」

「いいよ、牛頭丸」

まるで一触即発だ。

リクオたちが見守る中、少年たちの威勢のいいかけ声と共にそれは始まった。



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