BOOK(牛頭雪)
□続・島くんのユウウツ
1ページ/2ページ
朝。
浮世絵中学校の教室。
「おはよー」
「やぁおはよう、奴良くん。今日も元気かい?」
清継がばしばしと、リクオの肩を叩く。
「だが今朝は、君の相手をしている場合じゃないんだ・・・っと、やぁ及川さん!」
リクオの後ろにいた少女に、彼が声をかけた。
「昨日はいい買い物が出来たかい?」
「え、つらら?昨日清継くんと会ったんだ」
「そうなんだよ!しかも、男前な彼を連れてね」
複雑な表情の本人の傍ら、“男前”につられて巻と鳥居も寄ってきた。
「あぁ、牛頭丸か」
「あれ?知ってるの?及川さんの親戚とか言ってたけど」
「あ、えっと・・・昔からの知り合いなんだ。家同志、付き合いがあってね」
嘘ではない。
「それじゃ、親公認って訳かい?」
「うーん・・・まぁ、多分そうなるんじゃないかな」
牛鬼が知っているかどうかは別だが、少なくともリクオとその祖父は許容している。
「ちょ、ちょっと!リクオさま!?」
「ん?何か間違ってる?」
しらっと言う彼に、口を閉ざすしかないつららだった。
「ねぇねぇ、男前って誰が?」
「親公認って何?」
「面白い!是非また話を聞かせてもらおうじゃないか」
丁度その時、担任教師が扉を開けたため、それぞれの定位置に移動する清十字団のメンバー。
その中で、愕然としていた島に気付く者はなかった。
あとがき→→→