BOOK(牛頭雪)
□君を想う
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冬は、嫌いだ
暗いし
食い物はねぇし
何より寒い
一番厄介なのは雪だ
視界を遮るし
動きを鈍らせる
ただ冷たいだけのものを
美しいだなんて言ったのは誰だ
・・・あいつだ
あいつしかいねぇ
まだ本家にいた頃だ
こんな風に
触れれば溶けて消える雪を
弱いと思った
守りたいと思った
会いに行けば?なんて
隣の相棒は言いやがる
馬鹿を言え
俺がいなかったら
捩眼山は誰が治めるんだ
でも
春になったら
確認に行ってみようか
まさか溶けちまってたりは
しねぇだろうな?
【あとがき→】