BOOK(過去拍手)

□甘いチャイのような
1ページ/2ページ


あなたといる時間は、まるでチャイみたい。

甘くて温かくて、ちょっぴり刺激的。

「リクオ…くん」

私はためらいながら呼ぶ。

「ん?」

すると、いつも自信に満ちた笑顔で振り向くの。

切れ長の目を細めて、色っぽい唇の端をぐっと上げて。

その表情で人をドキドキさせてること、知らないんでしょう?

「カナ」

あぁ、また。

そんな風に呼ばれると、返事をせずにはいられない。

呼び捨てがいやな訳じゃない。

ううん、むしろ呼び捨てで呼んでほしい。

あなたの『特別』になった気がするから。




ずっと一緒にいた友達は、ずっと会いたかった憧れの人だった。

だからって何かが変わる訳じゃなくて。

例えどんな姿でも、あなたはあなた。

でもやっぱり…。

「カナ、おいで」

…うん、なかなか慣れない。




あなたといると、甘くて温かい。

そして少しだけ刺激的な、チャイみたいなほっとする時間。



《後書き→》
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ