09/30の日記

22:19
京極夏彦『数えずの井戸』
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大罪人の娘、菊
菊の父親が殺した男の息子、三平
直参旗本、青山播磨
大番頭大久保唯輔の娘、吉羅
青山家の側用人、柴田十太夫
冷飯草履、遠山主膳

菊は数えることをせず、ただ空を見る
全ての責は己が背負う
余計な争い事を望まず、自分一人で解決するならば濡れ衣も着る
ただ、自分が莫迦だから
欲しいものはない
今がいい

三平は菊の幼なじみ
米を搗いて一日が終わる
無意味に数を数えて解らなくなれば1に戻る
莫迦だからなにも望まない
変わらなければそれが一番いい

播磨は幼い頃から欠落感を感じていた
目の前にあるものが全てでも欠けているように感じる
そのうち何に対しても興味を示さなくなる
自分の縁談も客人にも遊び相手にも
ただ菊だけには違う情があった

吉羅は強欲
欲しいものは全て手に入れた
手が届かないものは欲しいとは思わない
数えることをしない

十太夫はただ褒められるためだけに動く
いくら動いても褒めることも叱ることもしない播磨が苦手

主膳は播磨に似たものを感じる
だが主膳と播磨は違う




播磨の屋敷に菊が水仕奉公に出る
吉羅に気に入られた菊は吉羅付きの女中となる
青山家の家宝、姫谷焼絵皿十枚揃は見付からない
吉羅の布団に針が撒かれる
吉羅は秘匿
翌日の朝餉に自ら針を仕込み、播磨の前で騒ぐ
朝餉を運んだ菊を犯人とされる
しかし播磨は菊を庇う
納得いかない吉羅
吉羅は家宝を渡せば菊は不問とすると言い出した
夜、井戸の側の柳に縛られた菊の元へ腰元の仙が来る
しかし吉羅の腰元に見付かる
仙は皿と引き換えに大久保家の人間に出て行ってくれと言う
騒ぎを聞き付けた十太夫の前で仙は吉羅が主膳と通じていたことを言う
吉羅には白を切られた
播磨は皿もないから縁談はなかったことにと告げる
皿を隠した仙は誰も隠し場所を知らないため斬られずにすむ
仙は針を撒いたのも自分だと認める
しかし主膳が皿を持って現れる
用のなくなった仙は主膳に斬られる
菊はふいをついて主膳から箱を奪い井戸まで戻る


徳次郎が見たのは斬られた菊、吉羅、仙
吉羅の腰元は主膳に斬られた
菊が死んだと聞いて来た三平は播磨に家宝の皿を割ったため斬り殺したと教えられる
残った皿は9枚だとも
三平は残った皿を箱ごとたたき付け、井戸に投げる
そのまま主膳に斬り殺され井戸に落ちる
播磨は家臣と共に主膳を斬る
菊の母は播磨に一言、恨みますると遺し、菊の躯を抱いて井戸に身を投げる




全771頁
読んで良かった
一週間以上かかったけど

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