種、種運命短編作品庫

□そのあとで
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アスランは急に触れる事を止めた

その彼の背中が泣いている様で、カガリは思わず両腕を一杯に伸ばした

優しく優しく……カガリは彼を抱き締める




「あの………カガリっ……」

自分から先に彼女を抱き締めたくせに

顔が熱くなる




「……馬鹿……」

カガリが小さく呟く



だから………



その唇を奪う


「んっっ……ふぅっ……」


初めて交わしたキスより、もっと深くて

もっと激しくて


お互いの熱さしか解らないくらい………




「ごめっ……俺……」

キスの後に

狂おしいほど君を
手に入れたいと思う

そんな感情があるなんて……


「アスラン……?」


濡れた唇が光って、カガリが妖艶に見えた

彼女の柔らかさにクラクラした


「………どうかしてる………こんな時に……」


君も自分も大切な人を亡くしたばかりなのに



俯くアスランの顔


目が離せなくて、カガリはそんな彼の頬を両手でつつんだ

「私を見ろ………アスラン……」



優しい声


「どうしたらいい……?どうしたら、お前を……」


カガリの顔が揺れた

アスランの目に涙が溜まっていたから……



「……解らない……解らないけど……だけど………」



どうしたら



「………君が……欲しい……」





「っっ!?」


カガリは頬を染めて俯いた

アスランはその顔を見て、とんでもない事を言ってしまったと後悔する




「ごめんっ……イキナリこんな事っ……その……なんというか……」

必死に弁解しようと、彼是考えてみるが上手くいかなくて……





「………ズルいな……お前……」


暫くして口を開いたカガリ……



「そんな泣きそうな顔で言われたら………イヤなんて言えないよ………」



「………カ……ガリ……?」


何かが弾けた気がした


 
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