種、種運命短編作品庫

□ピュア・ストーン
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手に入れたばかりの宝石を

何度も確かめる事ってあるだろ?




そんなつもりだったのかもしれない





これって…

正夢なのかな…?



俺は彼女、カガリを泣かせるつもりなんて無かったんだ



「…このっ…馬鹿ぁ…」


しかし

そんな彼女を俺は

今、また泣かせてしまった



でも…何で泣かせてしまったのか?


そう


さっぱり解らない…



俺は…何を言ったんだ?





えっと…


そう…夢を見たんだ




銃を持った父が
俺を蔑む様に見ていて

俺は

堪らなくなって
引金を引いた



足元に血が広がって

誰かの目線に気が付いて


後ろを振り返ると




カガリが泣いてた

壊れそうなくらい





そこで目が覚めた





目が覚めたら

どんどん不安になっていって


それで

俺はカガリの部屋を尋ねたんだ…





ドアが開いた瞬間

カガリがキョトンと俺を見てて



ホッとした



だけど

何故かその後
結局泣かせてしまった



どうしたらいいんだろう?



でも

これ以上泣いて欲しくない




俺は…成すすべも解らず、彼女を抱き締めた



「ご…ごめん…俺…何か君を傷付けた…?」

恐る恐る聞いてみる


返事がなくて、様子を伺っていたが…



あ…

ヤバい…鼓動が早くなる



自分のしている行為に今更驚いている訳じゃない

彼女を抱き締めるのは、初めてじゃないのだし……

だが……

一度目は片手で軽く

2、3度目はパイロットスーツの上から


だから……

彼女の柔さかさに改めて気付いたら、身体の熱が上昇してる


カガリが泣いているのに


顔にかかる彼女の髪の匂い
彼女の感触


堪らなく愛しくて



もう………変になりそうだ





自分にこんな感情があったなんて


君に会うまで知らなかった




 
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