種、種運命パロディ作品庫

□君しか見えない
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「…………はい?」



カガリは驚きを隠せないでいた

向かい合って朝食を食べて……スクランブルエッグを思わず皿に落とした


だって……



「だから、俺と結婚する気があるなら、付き合ってほしい」


何ともムード感もなく、彼はそう言った


「!?はっ!?意味が解らないんだが……?」

「意味………?そのままだが……?」


話が噛み合わない………


「イヤ、だからな……普通、付き合ってその過程で結婚するかしないか決める物じゃないか?」


カガリは最もらしい順序を提案してみた

でも彼はコーヒーを啜りながら……


「それって時間が無駄じゃないか?」


「へぇ……ぇ?」


返って来た返事は意外な言葉


「結婚する気もないのに付き合ってどうするんだ?」

彼はそう言って首を傾げる


確かに……彼の言い分も解らなくはないのだ……

自分だって前の恋愛でそう夢みていたんだから

だけど………


「うう……だからなっ……私達、昨日会ったばっかりだろ?」


「そうだな……」


「だろ?だから、先ずは友達から始めてだな……」


そう言ってハッとした

身体の関係を持った彼に、友達と……まるで別れた恋人の様な事を言っている


自分でも卑怯だと思った



「じゃあ、こうしよう!!合コンじゃなくて見合いで始まったって思えばいいんだ!!」

「はぁ!!?」



イヤ……解らなくはない

だけどそれは今期を逃した結婚を夢見る女の考え方で……

目の前の彼は自分とそんなに年も変わらない、遊び盛りの青年


「合コン」と「見合い」を……なんて言う年じゃないだろ?



 
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