種、種運命短編作品庫

□パティシエは必要?
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………だから


「どうしたんだ……カガリ?ずっとしかめっ面で………」


「何でもないっっ!!」


何が欲しいんだ?

何が好きなんだ?


何事に対しても冷静沈着なアスラン

何かに執着している様子って見たことない


仕事をするから、と彼を追い出して私は椅子に座り頬ずえをつく




機械工学は……好きなんだよな?

ハロとか……楽しそうにメンテナンスしてるし

部品……とか?

工具とか………?


イヤ、それってそもそも誕生日に贈って、嬉しいモノなのか?


それに、多分私が把握しているモノって……大抵は既に自分で購入してるぞ?

微妙にオタクだから



はぁ……

1年以上に一緒に過ごしているのに………


私ってアスランの事全然解ってないんだな…………


そうしてまた自己嫌悪に陥る




♪♪♪♪♪



目の前のパソコンがメールの受信をした

開くとそれはキラからで………



《明日、シモンズ主任に頼まれていたOSのデータを持っていくね。ついでに遊びにいくからヨロシク》



くそーっっ

人の気も知らないで、なんて呑気なメールなんだっ!!!


「あっ、そうか!!!キラとラクスがいるじゃないかっっ!!!」


そうなのだ!!

大親友のキラと元婚約者のラクス

二人に助言してもらえれば、絶対間違いない!!!!




それが………また大きな間違いだったと

その後に思い知る


……自分の誕生日の時の事を、すっかり忘れていた私は


とんでもない二人の
『パティシエ』
を……雇ってしまったのだ













【〜その時アスランは〜4】



カガリが俺をじっと見つめている



どうしたんだ?一体…………



俺は髭は生えてないぞ?

多分ハゲナイぞ?


勿論胸毛もないぞ?




ああっ………追い出されたっっ


カガリっ……

一体どうしちゃったんだ?


もしかして………


俺のカガリの隠し撮りプロマイドの存在がバレた?

この間送ったグリーンハロに、盗聴機が仕込んであるのがバレた?

違うんだ…っっ、カガリ……

心配してるだけで、疑ってる訳じゃないんだ!!





「おーい、アス………アレックスっ!!!」


「あ、マードックさん………」


「新しい工具カタログ届いたけど、見るか?」


「あ、見ます!!買います!!」←微妙なオタク




 
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