種、種運命短編作品庫

□パティシエは必要?
6ページ/14ページ



「スイーツって……私、明日帰ってくるの、夜の10時くらいにはなるぞ?作ってる余裕なんか……」


私はそう言ってキラの顔を見る


「大丈夫だよ、カガリは最後の仕上げにいれば良いだけだから」

「そうですわ!!それまでの段取りは、私達で夜までに終えておきますから、カガリさんはしっかり公務をしてきてくださいな」


キラの言葉にラクスはそう言った


仕上げ……?

よくわからないが、それが本当にアスランが喜ぶモノだと言うなら……

そうしてキラの顔を見つめる


「そうだね、買い揃えないといけないモノもあるしね」


さっきとうってかわって、なんだかキラは楽しそうだ


「本当に頼んで良いのか?二人とも」


カガリはそう言って二人の顔を交互にみた


「まぁ、元々誕生日は祝ってあげないといけないかなって気持ちもあったしね……」


「キラ………」


なんだ……

やっぱりキラも優しいとこがあるじゃないか


そう思って


「じゃあ、ヨロシクたのむ!!明日は急いでかえってくるからっ!!」


「うん、頑張ってカガリ」


そうしてキラはニッコリと微笑んだ









そして……今日はアスランの誕生日

私は朝早くから飛行機に乗り込み、会議に臨んだ


気が付けば、もう夕方の6時で……


「なんだ……本当に帰るのかい?」

そう言うユウナに


「ああっ、じゃあ後はヨロシク頼むな!!」

そうして帰りの飛行機に飛び乗った


皆待ってる!!!


アスランが待ってる!!!


一刻も早く帰らなくちゃ



私はそう思った





























【パティシエは必要?〜その時アスランは〜】


今日はキラが作ったOSプログラムの解析をしている


全く……

何でこんな無茶苦茶な組み方してるのに……ちゃんと出来上がってるんだ……


アイツには基本ってのはないのか?


理論を理解したうえの構造なら文句もつけようがないが……これじゃあまるで………


『何となく作ったら出来ちゃいました』


だろ?



「アスラン君はあれね……教科書に忠実な優等生……常に努力を怠らない秀才タイプ」


シモンズ主任はそう言うけど……


「じゃあキラは、特異で非凡な天才肌なんですかね……」


そうして俺は溜め息をつき、椅子の上で腕を伸ばした



その時



「んぐっ………!!!?」


突然、口を塞がれ俺は目を見開く


「申し訳ありませんっっ!!アスラン様っ」

「キラ様の申し付けなのです」

「しいてはカガリ様の為にっ!!!」






だからって

だからって………







何で縛られてるんだっっ!!?


俺はっっ!!?










非凡人の考えは



やっぱり読めない





 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ