種、種運命短編作品庫

□パティシエは必要?
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「……なぁ………ラクス………?」


私は何やら異変に気付く


「このリボンは……ちょっと大げさなんじゃないか………?」


これじゃあまるで…………


「いいえ、地味なくらいですわ」

「へっ?」


だって……こんな赤いリボン

まるで身体に巻き付けたみたいに……





「カガリっ、お待たせ!!これはアスランと使ってね」

「はぁ?」


そうしてやって来たキラから手渡されるモノをみて、私は声をあげる


「このキャミソール、プラントの新作なんだって!!アスラン絶対喜ぶから!!」


「おい、こらっ……!!」


喜ぶって!?

キャミソール!?

ファーのあしらったエメラルドグリーンのそれ(その後ミーアが着てたのと色違い)を

どうしろと言うんだっっ!!!


「なっ、何を言ってるんだ!?アスランの好きなデザートを作るんだろ?こんな……」


さっきから、ラクスはずっと私にメイクをしてるし

だから

だからっこれじゃ……



「だから、作ったじゃない?」


キラはニッコリ笑う


「「カガリ(さん)が今日のデザートでしょ?」」


素材って……

トッピングって……



「「さぁ、いってらっしゃい!!!」」



「うわぁああ!!!!」


寝室に放り込まれる私


つまりは………



「「アスランが一番欲しいモノは、カガリ(さん)でしょ」」



こんなパティシエ、もう雇いたくないっっ!!!!!!


















【〜その時アスランは〜】


「可哀想なアスラン……惨めなアスランに、せめて誕生日くらい幸福にさせて差し上げようと思いまして」



ラクス………かなりヒドイ言い方です……それ……

でも……


「………誕生日………そうか、俺の………」


そしてこの状況を理解しようとするが……


「イヤ……その誕生日の俺が、やっぱり何故縛り付けられているんだ……?」


ますます理解に苦しむ


「だからね……僕達で、アスランが一番欲しいモノをあげたいって話になってね……」


そうして微笑みを向けるキラ


「だから、それがこの状態と何の関係があるんだ……て言うか、なんで花弁ちらす!?」


無言のメイド達が赤いバラの花弁をシーツにまく

こんな……どこぞの官能小説じゃないんだし……

駄目だ……期待するな


「解るよね……アスラン……」


「新品の箱テッシュは二つ用意しましたわ」


そうしてニッコリ微笑むラクス

イヤ……二つって


そして極めつけ


「これは餞別……いくらなんでも、今夜だけで全部はつかわないでね」


そうして手渡された箱を見て顔から火が出た


「なっ……コン●●●っ!!?おまえっ!!」


驚きを隠せない俺は、キラの顔を見つめる


「こんな馬鹿げた事、カガリが知ったら……」


「カガリなら了解済だよ!!」



「へっ……」


了解済………


「ちゃんと君に食べられるつもりで来るから、そのつもりでね?」


食べられる…………?


「ではご機嫌様……
アスランっ」







マジで………?


マジなのか?


本当に…………?














誕生日万歳!!!!!



 
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