★庭園(ガーデン)★種、種運命本編軸長編

□フラワーガーデン
第8章『望み』
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だけど……




どうしてこんなにも




『俺と来いっ……アウル……』




嬉しいのだろう





薄れ行く意識の中で




アスランが……


アスランと呼ばれた青年が、手を指し伸ばした






ああ………



僕は




……やっと



自分を知る




アウルは彼の手をとった



ねぇ……アスラン





僕は……自分の名前すら知らないけれど


アスランにとって


僕だけが

『アウル』

だったよね?




それだけで



それだけで





何でだろう?










とても幸せなんだ………








閃光の後、爆発と共に破壊されたアビス




イザークは一筋の涙を流す




「俺は………後何人……こうして人の命を奪うのだろう………」




その命


ただ、重みを自分にのせ噛み締める





忘れてはいけない


慣れてはいけない




軍人である前に



自分が一人の人間であることを……




きっと


この想いを




十字架の様に背負っていく事が




自分の償いなのだから





涙を払い、前を向く




「敵は一機撃墜した!!都市内部に俺も先行するっ!!アークエンジェル、補給の準備をっ!!!」




今はまだ……




後ろを振り向く訳にはいかない





俺にも守りたいモノがある



守りたい世界がある





アスラン………



お前の守りたい世界って何だ?




きっと……


同じなんだろうな……




お前は俺に良く似ているから……


だけど


いつも俺の一歩前にいるから



気に入らないんだ




目につくんだよ……







『憧れ』なんて言葉


一生言ってやるつもりもないけどな







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