種、種運命短編作品庫
□そのあとで
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『君は俺が守る』
誓ったのに
彼女だけは命にかえても助けるって
覚悟してたのに
結局……最後に守られたのは自分の方で……
担架に乗せられ運ばれるキラを見つめながら、アスランはふと視界に入ったカガリを見た
彼女はドックにあったデュエルの機体を眺め、ディアッカと話をするイザークに近付いていく
「おいっ、お前っ!この機体はお前のなのか?」
何時もの口調で彼女は初対面のイザークに話かけた
「何だ、貴様は?」
不機嫌そうにイザークはカガリをジロリと睨みつける
「あぁ……ええとっ……
「姫さん、お互い無事で何よりだ」
言葉を探していたカガリを遮る様に、不機嫌そうな彼とは対照的に、ニカッと笑ったディアッカ
「あぁ……全部は……守れなかったけどな……」
そう言って苦笑いをしたカガリに、ディアッカはハッとした
「……そ……か……、アストレイのあの子達……」
「……うん……アサギもジュリもマユラも……死んだ……」
ディアッカは目を細める
「あんた……大丈夫か?」
その気使いにカガリは明るく笑う
「大丈夫だっ!!私はこれからまだやらなくちゃいけないことあるし……キラもラクスも……アスランもいるからっ!」
「そっか……なら良かった」
そう言って、ディアッカはずっと此方に視線を送るアスランを見た
(姫さんが気になるなら、此方にくればいいのに……)
何だか不器用な戦友に、ディアッカは小さく溜め息をつく
「で、お前がデュエルのパイロットなんだろう?」
カガリはまたイザークに視線を移した
「はぁ?だから、そうだが…それが何なんだ?」
イザークはまた不機嫌そうに答える
「私はカガリだっ!!戦闘中、お前に助けられたストライクルージュに乗ってたんだ!」
突然言われ、イザークはきょとんとした
「ストライクルージュ?」
どんな機体だ?
戦闘中の記憶を手繰り寄せる
「桃色のストライクだよ!だからっ」
「っつ!?」
カガリはイザークの手を取った
「有難うっ!!助けてくれて!!ずっとお礼言いたかったんだっ!!」
イザークが………
カガリを助けた?
まんざらでもなさそうに戸惑っているイザークと、笑顔で彼の手を握りブンブンと上下にふるカガリ
その二人をみて
アスランは拳を強く握りしめていた